タデイ・ポガチャルはなぜ強いのか? 〜現代ロードレース界の絶対的エース〜

はじめに

出典:Wikipedia
タデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar) は、スロベニア出身のプロロードレーサーでUAEチーム・エミレーツに所属する世界トップクラスの選手です。
彼は 登坂力、タイムトライアル能力、スプリント力、戦術眼のすべてを兼ね備えた総合力の高い選手 であり、現代ロードレース界において最も支配的なライダーの一人とされています。
プロフィール
- 生年月日:1998年9月21日
- 出身地:スロベニア・コメンダ
- 身長・体重:177cm / 66kg
- 所属チーム:UAEチーム・エミレーツ(2019年〜)
- 主な得意分野:グランツール(ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリアなど)、ワンデーレース
ポガチャル選手の強さの理由

出典:サイクルスポーツ
登坂力とパンチ力
ポガチャルの最も際立った特徴は、その 驚異的な登坂力 です。
特に急勾配の山岳ステージでは短時間で爆発的なアタック を仕掛け、一気にライバルを置き去りにすることができます。また、スプリンターほどのトップスピードはないものの、登りゴールでは優れたスプリント力を発揮しライバルを圧倒する場面も多いです。
タイムトライアルの強さ
グランツールの総合優勝を狙う選手にとってタイムトライアル(TT)の強さは重要ですが、ポガチャルは TTでもトップクラスの実力を持っています。
例えば、2020年のツール・ド・フランス最終日前日の個人TTでは、当時の総合首位だったプリモシュ・ログリッチを逆転し劇的な総合優勝を果たしました。
戦術眼と勝負強さ
ポガチャルはレース中の状況判断が極めて優れており、勝負どころを見極める能力が卓越 しています。
2022年のストラーデ・ビアンケでは、50km以上を単独で逃げ切るという圧倒的な走りを披露。 積極的な攻撃を仕掛けるスタイル が特徴で、観客を魅了するエキサイティングなレース展開を生み出しています。
驚異的な安定感
グランツールは3週間の長期レースです。その故初日から最終日まで、ある程度優れたコンディションを維持することが求められます。
ところが、ポガチャルは最初から最後までコンディションを維持し、安定した強さを発揮することを今まで実現してきました。
そのためシーズンを通じても高いレベルの成績を残し、 クラシックレースからステージレースまで幅広く勝利を狙えるため、幅広い活躍をしています。
まさしく真のオールラウンダー ですね。
過去の主な戦績

出典:J SPORTS
ポガチャルは若干21歳でツール・ド・フランスを初制覇し、その後も圧倒的な強さを発揮してきました。
ここでは軽くかこ5年の主な成績をご紹介します。
★2019年
- ブエルタ・ア・エスパーニャ 総合3位(ステージ3勝)
- ツアー・オブ・カリフォルニア 総合優勝
★2020年
- ツール・ド・フランス 総合優勝(ステージ3勝)
- 最終日前日の個人TTで逆転勝利し、歴史に残る劇的な優勝を達成。
★2021年
- ツール・ド・フランス 総合優勝(ステージ3勝)
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 優勝
- イル・ロンバルディア 優勝
★2022年
- UAEツアー 総合優勝
- ストラーデ・ビアンケ 優勝(50km単独逃げ切り)
- ティレーノ〜アドリアティコ 総合優勝
- イル・ロンバルディア 優勝
★2023年
- ツール・ド・フランドル 優勝
- アムステル・ゴールド・レース 優勝
- ラ・フレーシュ・ワロンヌ 優勝
- イル・ロンバルディア 優勝(3連覇)
★2024年
- ジロ・デ・イタリア 総合優勝(ステージ6勝)
- ツール・ド・フランス 総合優勝(ステージ6勝)
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 優勝
- イル・ロンバルディア 優勝(4連覇)
今後の期待

ポガチャルはすでにロードレース界のトップに君臨していますが、まだ26歳(2024年時点)と若くこれからも更なる活躍をし、今以上に記録を塗り替えていく可能性があります。
- ツール・ド・フランスのさらなる優勝回数の更新
- ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャとの3冠達成
- パリ〜ルーベなど未制覇のモニュメント制覇
このように、ポガチャルには今後も歴史に名を刻む活躍が期待されており、また、彼のレーススタイルは攻撃的で観客を魅了するものが多く、ロードレースファンにとって最も注目すべき選手の一人でしょうね。

