はじめに
今回はスコットのミドルエアロロードバイク、FOIL30をご紹介します。
スコットが培ってきた技術力を惜しみもなく採用したこのエアロロードは性能もよく、筆者もおすすめのエアロロードバイクです。
そんなFOIL30が今回フルモデルチェンジを果たし、真のエアロロードバイクへと進化しました。
スコットのエアロフレーム開発への道のり
スイスのメーカースコット(SCOTT)は実は世界でいち早くカムテール断面のチューブ形状をロードバイクに取り入れたメーカーでもあります。初代のFOILが発売された当初のエアロロードの主流は翼断面形状でした。この形状は、前方投影面積の低減と整流効果にのみ効果をフォーカスしたものです。このフレーム形状を採用したエアロロードバイクは主に平坦系のレースで活躍し数々の輝かしい成績を残しました。
しかしロードレースでは平坦だけでなく山岳を登れる軽量性や適切な剛性、快適性が求められます。そこでスコットはこれらの性能を持ったロードバイクを開発するべく世界でいち早くカムテール形状のフレームを開発を手掛けたのでした。
このカムテール形状は翼断面形状と比較してより軽量で剛性バランスがよく、エアロ性能も高く、また横風にも強いというメリットを持ちます。
それからというものの各メーカーがこのフレーム方式を採用し始め現在の主流になりました。まさしく初代FOILは現在のエアロロードの先駆け的存在とも言えます。
ケーブル内装化で真のエアロロードに!
今回モデルチェンジされてケーブルフル内装化を果たしたのはスコットのミドルグレードエアロロード『FOIL30』です。
2021年モデルのFOIL30は2代目のFOILの基本設計を踏襲しつつケーブルをフル内装へと進化を遂げました。採用されているシステムは現行ADDICT RCの開発で実現した独自システムです。
傘下のブランドであるシンクロスと共同開発を行ったCRESTON IC SLというステム一体型ハンドルを利用し、フレーム内部へケーブルをひいています。
スコットの内装システムの特徴は、コラムの中心軸をヘッドチューブに対して3mm後方にオフセットさせて、「エキセントリックフォークシャフト」というシステムを採用し、ベアリングとフォークコラム前方の間にケーブルを通すことで広いスペースを確保しました。このオフセット設計のおかげでコラムは真円形状のまま、剛性を確保しています。
また広い空間があるおかげで電動コンポーネントだけでなく機械式のコンポーネントのワイヤーを通すことも可能です。
フレーム重量が1060g、フォーク重量が365g。ホイールセットはシンクロスのRR2.0を採用して完成車重量は8.1kgに仕上がっています。必要十分な剛性を確保し、なおかつ高いレベルのエアロ性能、登りもこなせる軽量性とまさしくスコットが思い描いている理想のエアロロードに仕上がっています。
スペック
スコット FOIL 30 (2021年モデル)
フレーム:FOIL Disc HMF F01 AERO Carbon tech.Road Race geometry
コンポーネント:Shimano Ultegra
ホイールセット:Syncros RR2.0 Disc 28 Front / 28 Rear Syncros RWS
タイヤ:Schwalbe ONE Race-Guard Fold 700x28C
重量:8.1kg
サイズ:XXS、XS、S、M、L
価格:489,000円(税抜)
まとめ:最速なエアロロードが欲しい方におすすめ!
今回はケーブル内装化でより高性能なエアロ性能を手に入れたFOIL30をご紹介いたしました。
昨今は各メーカーがエアロロードの開発に力を入れていて、多くのエアロロードバイクが販売されています。
今回ご紹介したFOIL30は、そんな数あるエアロロードの中でも順当に進化を果たしたモデルの一つだと思います。平地でのスピードはピカイチで、まさしく高速で駆け抜けるのにもってこいなロードバイクとなりました。
また、今回のモデルチェンジはトータルバランスにも磨きがかかり、オールラウンダーなロードバイクにもなっています。
真のエアロ性能だけでなく、軽量性なども持ち合わせたバランスのよいオールラウンダーなエアロロードバイクが欲しい方にも是非ともおすすめしたい一台です。