はじめに
今回はケーブルフル内装を実現したハイエンドロードバイクをご紹介いたします。
どのロードバイクも性能だけでなくそのすっきりとしたかっこいい見た目にワクワクすること間違いなしです!
今回ご紹介するロードバイクメーカー
ビアンキ(イタリア)
現在あるロードバイクメーカーの中で最古となる100年以上の歴史を持つメーカー、ビアンキ。
ブランドカラーであるチェレステカラーは幅広いサイクリストに人気があります。
ロードバイクはもちろんのことクロスバイクやマウンテンバイク、ミニベロなど本格的なモデルから街乗りにもぴったりのモデルを多くラインナップしており初心者からプロまで幅広く支持を得ています。
中でもハイエンドロードバイクのオルトレシリーズはプロチームでの使用実績もあり高い技術力が魅力となっているメーカーでもあります。
コルナゴ(イタリア)
イタリアの名門メーカーコルナゴ。その歴史は長く1954年まで遡ります。
高い技術力を誇り実に素晴らしいロードバイクを作り続けています。
フラグシップモデルのV4Rsは本格的なロードバイクとしてサイクリストの憧れでもありながらアマチュアでも乗りやすいよう設計がなされています。
また、V4Rsの流れを継ぐV3も大変高い性能を誇りこちらも人気があるロードバイクとなっています。
プロチームへの供給も積極的で高い評価を得ていますよ。
リドレー(ベルギー)
自転車大国ベルギーで生まれた自転車メーカーがこのリドレーです。
ベルギーは通称「パヴェ」と呼ばれる石畳が多いほか大柄な人が多い国でもあります。
そんな厳しい条件下の中でもレースで通用するロードバイクを作り続けておりとても高い評価を得ています。
リドレーのロードバイクは先述のパヴェでも快適に走れるよう開発されているモデルが多く、その技術は近年人気のグラベルロードにも生かされています。
BMC(スイス)
スイスのBMCはロードバイクラインナップのほとんどがハイクラスという特徴をも持つメーカーです。
また、BMCのロードバイクには全てのモデルでUCI認証マークがついておりその高い技術力と意気込みが感じられるメーカーとなっています。
ロードバイクのみならずMTBやトライアスロンバイクなどの完成度も高く数々の大きなレースで輝かしい実績を重ねています。
先述の通りハイクラスなモデルが多いせいかあまり乗っている人を見かけないため他の人と被りたくないというサイクリストにはおすすめのロードバイクメーカーですよ。
スコット(スイス)
元々スキー関連のメーカーだったスコットは1986年に自転車業界に参入。
今では当たり前となっているエアロという空力抵抗削減の概念をいち早くロードバイクに取り入れました。
また、軽量ロードバイクとしてのイメージも強く当時世界最軽量となっていたアディクトは1kgを下回るフレームとして存在感を放っていました。
そんなスコットは今では「エアロのフォイル」「軽さのRC」そして「快適性のアディクト」とうまく住み分けがなされ、とてもわかりやすいラインナップを持つロードバイクメーカになっています。
ファクター(イギリス)
ファクターはレーシングカー、航空宇宙産業のメーカーから誕生したブランドです。
そんなファクターは創業が2007年と自転車メーカーの中としては新しくまだまだ若いメーカーでもあります。
しかしながら高い技術力と開発力を誇りレースで活躍できる剛性とエアロ性能を持ち合わせつつ乗り心地の良さまでも実現した「OSTRO V.A.M.」や、車体重量がわずか6.2gという驚異的な軽さを誇る「O2」などさまざまなレーシングバイクをラインナップに持っています。
タイム(フランス)
タイムはスチールフレームが一般的だった時代からカーボンフレームを製造し続けている高級メーカーです。
同じくフランスの高級メーカーのLOOKと歴史的に繋がりがあり、カーボンレースバイクの製造において互いにしのぎを削ってきました。
タイムはカーボン繊維の糸を編み上げて樹脂を浸透させる「RTM製法」を採用しており
これにより優れた推進力と快適性を両立したロードバイクを数多く生み出しています。
先頭的な見た目が特徴的でデザイン性にも優れており、サイクリストたちの憧れでもあります。
ケーブルフル内装を実現したハイエンドロードバイク12選!今回はヨーロッパメーカーをご紹介!
ビアンキ OLTRE RC
フレーム素材にハイモジュラスカーボンを使用しREPARTO CORSE最上級のコンポーネントを搭載させたハイスペックモデルがこのOLTRE RCです。
ただならぬ空力性能の向上を実現したこのモデルは空洞実験内におけるOLTRE XR4と比較した数値で、毎時50キロ走行において約17.1ワットの力を節約、横風を受けた際のCdAが約5.1%改善、そして時速250ワット出力で40km走行時に約45秒短縮と驚異的な数値を誇っています。
トータル設計で考えに考え抜かれた真のレーシングバイクとなっています。
ビアンキ SPECIALISSIMA RC
SPECIALISSIMA RCはビアンキの軽量オールラウンダーモデルです。
最新のレーシングバイクらしくエアロ性能を高めトータルでのバランスが優れたモデルとなっています。
Specialissima RCでは、ヘッドチューブに前後のボリュームを持たせることでより効率的にフォークをフレームと統合させ空力特性を大幅に向上。さらにはシートポストもカムテール形状とし、足回りで生まれる乱流を整える効果を発揮させるという設計になっています。
その技術力は数値にも表れており、斜度6%、10kmの登りを体重60kgのアスリートが200Wで走った場合は旧モデルよりも8.7秒速く、10kmの平地であればその差は31.19秒まで拡大するそう。6%の登りを30km/hで走れるプロレベルのクライマーに対しては、3.6Wのパワーセーブができるそうです。
またSpecialissimaと名がつくには欠かせない軽さですが、その重量は完成車重量で6.6kg。
ペダルやボトルケージをつけてもUCI規定の6.8kgになるよう考えられています。
コルナゴ C68 Road
100% HAND MADE IN ITALYで作られるこのコルナゴ C68は、C40から続くラグドカーボン製法を引き継ぎながらも、全く新しいコンセプトのもとにデザインされたロードバイクです。
Cシリーズで最大の特徴となるラグとチューブのパーツ構成を見直し一体化させるモジュールストラクチャー製法によって、フルモノコックでは難しい緻密なジオメトリー調整が可能となりました。また、新たな構造はフレームデザインも一新。トラディショナルな工法は引き継ぎつつも、従来とは異なるラグ構造により空力特性を備えたシェイプとなっています。
ラインナップはフルカーボンのレギュラーモデルと、ヘッドラグとシートラグの一部にチタニウムを使用したリミテッドモデル。
医療分野でも使用されている高精度3Dプリントテクノロジーを用いて、ミリ単位、0.1度単位での精密なサイジングがが可能となっているそうです。
「レースに勝つためのフレーム」というコンセプトで生み出されるCOLNAGOのロードバイク。
このC68はコルナゴが作り出す最高峰ロードバイクとして最新の技術を取り入れつつもこれまでの伝統を継承するフラグシップモデルに相応しいロードバイクとなっています。
コルナゴ V4Rs
このロードバイクはレースで勝つために、そして、あらゆる地形で優れた性能を発揮するために史上最速のモノコックフレームを採用して作られたハイエンドロードバイクです。
プロトタイプの段階から、UAEチーム・エミレーツと協力し数多くの風洞テストや実地テスト、そして実際のレースでもテストが行われて開発されてきました。
ポガチャル選手をはじめとする、世界で最も要求の厳しいトップライダーたちからのフィードバックを得て、「エアロダイナミクス」「軽量性」「動的剛性」「ジオメトリ」「堅牢性と信頼性」の5つの領域で大幅な進化を遂げています。
V4Rsは、コルナゴの「V」を継承する、まさしく勝つためのロードバイクです。
リドレー Falcn RS
RIDLEY が誇る究極のオールラウンドパフォーマンスバイクとして誕⽣したこのバイクは、⼭岳で大きなアドバンテージを得るための⼗分な軽さと剛性、そして平坦やダウンヒルでも速く⾛れるための優れた空⼒性能、そのすべてを完璧なバランスで提供し、あらゆるレースシーンに対応可能な究極のスピードとパフォーマンスを実現しています。
⾼いペダリング効率を維持するという絶対的な条件の下に、可能な限り空⼒性能を追求しながらも軽量化を達成するため、弾性率の異なる60T/40T HM UD カーボンを適材適所にレイアップし、フレームに使⽤される余分な素材やチューブ形状によって重量増にならないように制限。
また、ジオメトリーの変更とともにフレーム全体にラウンドシェイプのカムテールデザインを採用し、横⾵の影響を受けにくいトップチューブの形状にも変更を加えました。
ケーブルを完全に内装できるF-Steerer を採⽤することで、空気抵抗の低減と優れたハンドリング性能も獲得しています。
リドレー Fenix SLiC
究極のエンデュランスレーサーとして⽯畳のクラシックレースでプロ選⼿を⽀えたFenix。今回エアロダイナミクスを採用し、エアロエンデュランスレーサーとして進化を果たしています。
フレーム素材には、弾性率の異なる30T/24T HM UD カーボンを適材適所にレイアップし、Fenix SL Disc から⾒直すことでヘッドチューブとBB 周辺の剛性と全体的な快適性を向上させています。また、ダイヤモンドシェイプチュービングをトップチューブとダウンチューブに採⽤し、剛性と強度も向上させることに成功しています。
緩やかに湾曲したトップチューブや横⽅向に扁平し細⾝にシェイプされたシートステー、左右⾮対称のチェーンステーを採⽤しコンパクトに設計されたリアトライアングルは、快適性と剛性、反応性のバランスを備え、⻑めのホイールベースにすることで抜群の直進安定性を実現しています。
フレームに内蔵されたシートクランプは乱気流の発⽣を抑え、極細ストレート形状のフロントフォークは外観とは裏腹に⾼剛性を実現。
フレームとコックピットを専⽤設計し、ケーブルをフル内装できるF-Steerer の採⽤により空気抵抗の低減と優れたハンドリング性能を得ています。
BMC Teammachine SLR01
軽量オールラウンダーロードバイクTeammachine SLR01シリーズは今年で初代発表から10年目を迎えます。
それから10年間の間、BMC RACING TEAMやNTT PRO CYCLINGに供給され、ツール・ド・フランス総合優勝やマイヨ・ブラン、世界選手権制覇、オリンピックゴールドメダル獲得、それ以外の多様なレースでの第一線で活躍し続けてきました。
そして記念となるモデル10年目でさらに進化を成し遂げました。
そんなteammachine SLR01の上位グレードに装備され、ACE+で導き出された新型ICS CARBONは、ケーブル完全内蔵化とエアロ形状のハンドル+ステム一体化による空気抵抗の削減に大きな役目を果たすことに成功、優れた整備性と無駄を省いたことによって305gの軽量化にも成功しています。
また、GARMINデバイスに対応した専用サイコンマウントも用意されております。(別売)
BMCの開発エンジニア達がエアロダイナミックス向上のため、フレームチューブやフロントフォーク、ドロップアウト、ボトルケージなどの形状を意識し、ACE+による流体力学を用いたコンピュータ解析を行い、各部形状のデザインを施しました。
空気抵抗を一番受けるフレーム前方部には、ヘッドチューブ前後方向に厚みを増しつつもカムテールデザインを採用し、ケーブル内蔵方法の新型ICSコックピットシステムと組み合わせることにより、エアロ効果や安定感、そして剛性の向上を成功させています。
スコット FOIL RC PRO
大型化されたヘッドチューブはスムーズなケーブルルーティングを可能にするだけでなく、走行時の空気抵抗を減らすフェアリングとしても機能しています。
また、FOIL RCのフォークは、よりディープな幅の広い断面形状と、薄くてより高い位置のクラウンを備えており、どちらも更なるエアロアドバンテージを提供しています。
ダウンチューブとシートチューブは、システム全体に焦点を当てた設計の具体的な例です。
エンジニアは初めにフレームのみでテストを行い、そこから非常に空力的なデザインを作り上げることに成功しました。 しかしそのデザインはバイクにライダーを乗せた状態の風洞テストで実際には以前のFOILよりも空力特性が低いことがわかり、デザインは再度修正されました。
エアロダイナミクスと軽量の間には微妙なバランスがあり、エンジニアとデザイナーはこのバイクを開発する際、秤の数値を進めることなく、設計しています。また、カーボンレイアップの改善、カーボンピースとジョイントの数の削減、シートステーやシートクランプなどの細部への細心の注意により、チームは剛性を犠牲にすることなく重量を削減することに成功しました。
ファクター OSTRO VAM 2.0
エアロダイナミクス開発チームのアプローチは、バイクの形状がライダー周辺の空気をどのように制御できるかを学ぶことだったそうです。
バイクのリーディングエッジは、空気の流れに最も大きな影響を与える原因となります。ひとつは、ライダーが空気を切り裂き移動するとき槍の先端の様になるから。そしてもうひとつは、それに続くバイクのすべての要素のために空気を管理することができるからだそうです。
このコンセプトのもと、開発チームはバイクの前方に焦点を当て、後方へと作業を進めていきました。
フロントのエアロダイナミクスの改善は、リアの要素に雪だるま式に影響を及ぼします。
秘訣は設計が後方に向かうにつれてプラスの利益を獲得し、それを伝播させることで、場合によっては変更が上流で発生する抗力に影響を与えることもあります。このため、開発チームは計画的に後方に向かうにつれて前方を見直していきました。
高度なエアロダイナミックを駆使して 開発チームは焦点を絞った一連のコンセプトを考案し、幾度ものダイナミック・シミュレーションを行い、最適な形状の組み合わせを決定していきました。その結果、111回のシミュレーションを実行し、上方と下方の両方への影響を最小限にしています。
3D visualizationsは気流を面内だけでなく、3次元空間全体の流れを評価することができるそうで、この高度な流動解析とフレームとフレームの要素間の複雑な関係の理解を向上させることにより、一層深い形状の最適化を可能にしています。
タイム ALPE D’HUEZ X
アルプデュエズディスクと同じ最⾼級の複合材レイアップを採用することで、アルプデュエズXにかつてない性能を持たせています。
使用される⾼弾性東レM40J繊維の量を増やし、世界最強繊維であるダイニーマ®を追加することで、カーボン/ベクトラン®複合構造をアップデートし、これまでで最も先進的なBCSハイブリッドブレンドを実現しています。
再設計されたチェーンステーシステムにより、アルプデュエズX の「スイートスポット」は 35C タイヤです。同時に28Cや38Cタイヤでも、あらゆるアスファルトで素晴らしい体験ができます。
また、このアルプデュエズXがまとうのは、カーボンシフトペイントです。繊細に色合いが変化する塗装を半透明のコートでおおい、カーボン繊維の編込みの美しさを実現しています。
アルプデュエズXフレームカラーのマゼンタ(RED)、グリーン(GREEN)、シアン(BLUE)は光の三原色と言われテレビやスマートフォンのディスプレーなどに使われる基本色だそうです。
タイム ALPE D’HUEZ DISC
このロードバイクは液晶ポリマー(LCP)から生成したマルチフィラメント(複数の繊維からなる)の高性能な糸で、並外れた強度と剛性をそなえています。
これは同重量比ではスチールの5倍、アルミの10倍の強度があります。
高い耐摩耗性と曲げに対する耐久性から、フォークコラムや軽量フレームの補強に最適な繊維です。
また、レジン・トランスファー成型は、フレームの精度を上げるための最良の製造方法です。まずドライファイバーを編み上げ、それを金型の中に設置し、そこに高圧でレジンを流し込むことにより、気泡やムラのない成型が可能となります。カーボンフレーム製造で一般的なプリプレグとエアバッグを使った成型方法とは異なり、連続的で一体的な、ほぼ仕上がり状態に近い成型品が得られます。
この製法は航空宇宙や高級自動車の分野では一般的ですが、サイクリング業界では恐らくTIME以外では使用しておらず、この点でもTIMEのユニークさは際立っています。
まとめ
いかがでしたか?
どれも創意工夫がなされ、メーカーが自信を持って世に送り出したバイクなのがわかっていただけたかとおもいます。
ただ単に見た目が美しいだけでなく、そこには空力性能はもちろん、剛性や快適性のバランスといったような近年主流のテクノロジーが満載なバイクたちです。
皆さんも気になるロードバイクはありましたでしょうか?
この記事が皆さんの自転車選びやカスタムのインスピレーションになり、お役に立てることを祈っています。