はじめに
今回は、ガンナのアワーレコード記録更新、ポガチャルのイル・ロンバルディア2連覇達成、そして元サイクルロードレーサー、別府史之の日本ラストランについてのニュースをまとめました。
ガンナがアワーレコード世界新記録樹立！
引用：シクロワイアード
2022年10月9日、スイスのティソ・ヴェロドロームでフィリッポ・ガンナ（イタリア、イネオス・グレナディアーズ）がアワーレコードに挑戦、結果、56.792kmで世界記録を更新しました。この記録は、ルール改正前の1996年、クリス・ボードマンが達成した記録をも打ち破る快挙でした。
TTスペシャリストであるフィリッポ・ガンナ（イタリア、イネオス・グレナディアーズ）はこの日、1時間に渡ってスイス・グレンヘンのティソ・ヴェロドロームを駆け抜け、1996年にクリス・ボードマン（イギリス）が、”スーパーマンスタイル”でマークした56.375kmをも上回る、56.792kmでフィニッシュしました。
ガンナは、
「この信じられない目標を達成することができ、本当に素晴らしい。この結果にたどり着くまでイネオス・グレナディアーズのスタッフが長きに渡り手伝ってくれた」と記録達成直後に語ったガンナ。「今朝はたとえ1mでも記録を更新できればと思ったが、次第に”それよりも（ルール改定前を含む）すべての記録を破りたい”と思い始めた。この記録はアメイジングだし、56.792kmという数字も悪くないね！」
とコメントをし、また前世界記録保持者で、今回の挑戦にスタッフとして尽力したイネオス・グレナディアーズのスタッフ（パフォーマンス・エンジニア）であるダニエル・ビガム（イギリス）は
「歴史的な走りを見せたフィリッポに大いなる賛辞を贈りたい。フィリッポに自分の記録を破られることは計画の一部だった。新記録保持者に相応しいチームメイトを持つことができ、本当に素晴らしい」とコメントをしています。
驚異的な記録をもつこの両選手に賞賛の意を表したいですね！
引用：シクロワイアード
歴代アワーレコード記録
フィリッポ・ガンナ（イタリア）56.792km（2022年10月）
ダニエル・ビガム（イギリス）55.548km（2022年8月）
ヴィクトール・カンペナールツ（ベルギー）55.089km（2019年4月）
アレックス・ドーセット（イギリス）54.555km（2021年11月）
ブラドレー・ウィギンズ（イギリス）54.526km（2015年6月）
アレックス・ドーセット（イギリス）52.937km（2015年5月）
ローハン・デニス（オーストラリア）52.491km（2015年2月）
ポガチャルがイル・ロンバルディア2連覇達成！
引用：シクロワイアード
シーズン最後の大一番である歴史的レース、第116回イル・ロンバルディアは、タデイ・ポガチャル（スロベニア、UAEチームエミレーツ）がエンリク・マス（スペイン、モビスター）を退け大会連覇を達成しました。
第116回大会は昨年同様にベルガモからコモに向かう253kmで行われました。
1905年に第1回大会が開催され、今年で開催116回目を迎えるイル・ロンバルディア（元ジロ・ディ・ロンバルディア）は、
ミラノ～サンレモ（1907年～）
ロンド・ファン・フラーンデレン（1913年～）
パリ～ルーベ（1896年～）
リエージュ～バストーニュ～リエージュ（1892年～）
と並んで「モニュメント（世界五大クラシック）」と称される歴史的かつ伝統のあるレースです。
例年決まって秋に開催されることから、イタリア国内では「落ち葉のクラシック」と呼び親しまれています。
アレハンドロ・バルベルデ（スペイン、モビスター）とヴィンチェンツォ・ニバリ（イタリア、アスタナ・カザフスタン）の現役最終レースでもある今回のレースは、獲得標高4,800m越え。
スタート後に9名の逃げが決まり、途中オレリアン・パレパントル（フランス、AG2Rシトロエン）が合流して10名逃げに。メイン集団に対して最大5分半リードを得て前半戦を駆け抜けました。
平穏に距離を消化していくかのように見えた展開の中、105km地点でピークを超える登坂「フォルチェッラ・ディ・ブラ」の下りで落車が発生。
引退を発表していたミケル・ニエベ（スペイン、カハルラル・セグロスRGA）が鎖骨骨折でリタイアし、さらにレース前に
「このシーズン終盤にこんなに良いコンディションなのは初めて。過去最高位の6位を越えたい」
と語っていたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ（イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ）も路面に叩きつけられレースを去るアクシデントも。
コモ湖のある湖水地方でモビスターやイネオス・グレナディアーズといったトップチームがペースを上げ、スタートから5時間が経とうかというタイミングでマドンナ・デル・ギザッロ（登坂距離8.6km/平均勾配6.2%/最大勾配14%）に突入。フィニッシュまで70km以上を残して10名逃げが吸収される展開に。
引用：シクロワイアード
そして、2022年ツール・ド・フランス覇者である、ヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ）のために、クリス・ハーパー（オーストラリア）がレースを絞り込観ましたが、そのヴィンゲゴーとツールで熱戦を繰り広げたタデイ・ポガチャル（スロベニア）率いるUAEチームエミレーツがチーム力にモノを言わせて主導権を奪い取り、そのままコース終盤戦へと入っていきます。
相変わらずUAEのコントロール主導でハイペースな展開のまま、集団からは、それまでも何度か遅れかけていた前世界王者ジュリアン・アラフィリップ（フランス、クイックステップ・アルファヴィニル）が脱落。
2015年と2017年のロンバルディア覇者ニバリも頂上まで3kmを残して脱落し、勾配の上がる後半区間に入るとダヴィデ・フォルモロ（イタリア、UAEチームエミレーツ）のペースメイクで集団が木っ端微塵となり、これをチャンスと見たポガチャルがアタックをしかけました。
下りでランダが追いつき、残り5km地点で頂上を迎えるサンフェルモ・デッラ・バッターリア（登坂距離2.7km/平均勾配7.2%/最大勾配10%）に入ったところで、マスがアタックしましたが、ポガチャルはシッティングで余裕の対応をし、カウンターアタック。これまでの前哨戦で何度も繰り返されてきた二人のアタックはいずれも決まらず、ランダを振り切り、コモの街に降りるダウンヒルをクリア。
勝負は一騎討ちのスプリントに持ち込まれます。
先行ポガチャル、2番手マスの順で、ランダが追いつかないことを互いに確認したあと、スプリント力で分が悪いマスは、残り200m地点から加速。しかしポガチャルに冷静に対処され、もう一度踏み直したポガチャルがフィニッシュラインを先頭で駆け抜けました。
「このロンバルディアに戻ってくることができて、さらに今シーズン最後のレースでもう一勝。素晴らしい結果になったよ。素晴らしい働きをしてくれたチームメイトに対して、僕がどんなに素晴らしい感情を抱いているか説明しきれないよ」と、ポガチャルはチームの鉄壁のコントロールに感謝を表すコメントを残しました。
イル・ロンバルディア2022結果
|
1位 |
タデイ・ポガチャル（スロベニア、UAEチームエミレーツ） |
6:21:22 |
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2位 |
エンリク・マス（スペイン、モビスター） | |
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3位 |
ミケル・ランダ（スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス） |
+0:10 |
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4位 |
セルヒオ・イギータ（コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ） |
+0:52 |
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5位 |
カルロス・ロドリゲス（スペイン、イネオス・グレナディアーズ） | |
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6位 |
アレハンドロ・バルベルデ（スペイン、モビスター） |
+1:24 |
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7位 |
バウケ・モレマ（オランダ、トレック・セガフレード） | |
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8位 |
ルディ・モラール（フランス、グルパマFDJ） | |
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9位 |
ロマン・バルデ（フランス、チームDSM） | |
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10位 |
アダム・イェーツ（イギリス、イネオス・グレナディアーズ） |
+1:26 |
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24位 |
ヴィンチェンツォ・ニバリ（イタリア、アスタナ・カザフスタン） |
+2:17 |
別府史之の引退セレモニー開催決定！！
引用：シクロワイアード
10月15日（土）開催のジャパンカップクリテリウムのオープニングパレードにて、別府史之の引退セレモニー開催が決定しました！
別府史之は、日本人で唯一ジャパンカップクリテリウムを2度制したほか、ロードレースとタイムトライアルを合わせて5度の全日本タイトルを獲得。
2度のオリンピック出場、2009年のツール・ド・フランスでは日本人初の完走者の一人となるとともに、日本人初の敢闘賞を獲得とステージ8位。
また、日本人で唯一の3大ツールと5つのモニュメントの完走を果たすなど、まさしく日本のサイクルロードレース界を牽引してきた第一人者。
長年在籍したトレック・セガフレードから2020年はNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスで過ごし、プロ最終年となった2021年はEFエデュケーション・NIPPOに移籍。
その年限りで引退したものの、コロナ禍でのジャパンカップ中止などを受けて国内でのラストランが実現していませんでした。
3年ぶりの開催となったジャパンカップの、かつて自身が2度制したクリテリウムコースを舞台に今年ついに、別府史之が走り抜けます！
「Fumy」として親しまれた別府選手のキャリアを締めくくる一大セレモニー。
ぜひみなさんも最後の勇姿を目に焼き付けましょう！！
参考元記事：シクロワイアード
