「2026年版」新興ホイールはレースで本当に使えるのか?― 機材進化の現在地と「勝つための選択」を考える ―
はじめに|新興ホイールを疑うこと自体が「時代遅れ」になりつつある
ロードレースの機材選びにおいて、ホイールは最も“結果に直結するパーツ”だと私は思っています。
フレームやペダル、サドル以上に、レース中の感覚を直接的に左右する存在と言っても過言ではありません。
だからこそ、今回のテーマである、新興ホイールについて語るとき、皆さんは慎重になると思います。
例えば、
「本当に全開で踏んで大丈夫なのか」
「高速コーナーで不安が出ないか」
「ゴールスプリントでヨレないか」
こうした疑問は、決して間違っていません。
むしろレースを真剣に考えているからこそ生まれる健全な疑念です。
ただし、その疑念の多くは、数年前の新興ホイール像を前提にしたものであることも事実です。
「新興ホイール=レース不向き」という固定観念はどこから来たのか

かつての新興ホイールは、
・OEM色が強く、ブランド独自性が薄い。
・設計思想が曖昧で詳細なスペックや、テストデータがほとんど公開されていない。
といった問題を抱えていました。
結果として、
・剛性が高すぎて脚が削られる
・逆に剛性不足でスプリント時に逃げる
・個体差があり「当たり外れ」がある
こうしたネガティブな体験談が積み重なり、「レースでは使えない」という評価が定着したのです。
しかし2026年現在、前提条件は完全に変わっていると私は感じています。その理由tして、技術的な“地盤沈下”が起きているという事実があるからです。
要するに、
・「一部のトップブランドだけが持っていた技術」が「業界全体で共有されるレベル」にまで下りてきた
ということです。
これにより、
・リム成形精度
・スポークテンション管理
・ハブ内部設計
といった基礎性能において、新興=劣るとは言えなくなりました。
レースで使えるかを判断する「本当の基準」

スペック表は参考程度にしかならない
多くの人がホイール選びで注目するのは、
・重量
・リムハイト
・公称剛性
だと思います。
ですが、レースで重要なのは数値ではなく、
・踏み込んだ瞬間の反応
・速度が乗った後の安定感
・疲労が溜まった後半の挙動
といった動的な特性です。
新興ホイールは、この「動的性能」に特化した設計が増えてきました。
レースシーン別に見る新興ホイールの実力

クリテリウム|最も“実力差”が分かりにくいカテゴリー
クリテリウムでは、
・加速
・ブレーキング
・再加速
といった一連の動作が繰り返されます。
私は、この環境では、新興ホイールの多くが非常に相性が良いと感じています。
その理由として、
・軽すぎない
・反応が急すぎない
と言ったメリットが挙げられるからです。これら要因は、ライダーの操作を素直に反映してくれます。
ロードレース|「安心感」の有無が結果を左右する
長時間レースでは、ホイールの性能以上に精神的な余裕が重要になります。
新興ホイールでもこれは例外ではなく、
・横風で挙動が乱れない
・ダウンヒルでラインが安定する
こうした条件を満たしていれば、実際のパフォーマンス差はほとんど出ません。
それでも「最後はメジャーブランド」が選ばれる理由

技術ではなく「保証」を買っている
トップカテゴリーでメジャーブランドが使われ続ける最大の理由は、
・機材が壊れないこと
・壊れても即リカバリーできること
この2点に集約されます。
新興ホイールは性能面では追いついてきましたが、レース環境全体を支える仕組みでは、まだまだ差があります。
まとめ|新興ホイールは“勝負を左右しない”が“選択を広げる”

結局のところ新興ホイールは、勝敗を決定づける魔法の機材ではありません。ですが、足を引っ張る存在でもありません。
むしろ、自分の脚と戦術を最大限に活かすための現実的な選択肢として、非常に価値のある存在です。
それがどんなに高性能なホイールでも、ライダー自身が不安を抱えていれば、その性能は発揮されません。
新興ホイールがレースで使えるかどうかの最終判断は、スペックでも、価格でも、ブランド力でもなく
「そのホイールを信じて踏み切れるかどうか」
ここに尽きると私は感じています。



