「2025年版」UCI新ルール、ハンドルバー幅の最小規定について

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はじめに:新しいハンドルバー最小幅規定とは?

2026年1月1日より、UCI(国際自転車競技連合)はすべてのロードおよびシクロクロス競技において以下のハンドルバーの最小幅を義務化します

測定ポイント最小幅の規定
外端(バーエンド to エンド)400mm 以上
ブレーキレバー中心(ブラケット to ブラケット)320mm 以上

この変更はバイクコントロールと集団走行時の安全性を確保することを主な目的としています。

なぜこのルールが導入されたのか?

背景にある「極端なポジションの加速」

近年エアロ効果を最大化する目的で、極端に狭いハンドル幅(380mm以下)を採用するプロ選手が増加していました。

特に下りやスプリント局面では、身体を極限までインライン化し、抗力を減らすための「アームイン」ポジションが常態化。これは理論上の空力的なメリットはあるものの、ハンドル操作の自由度や反応性を犠牲にしており、集団内での接触や落車リスクの増大が懸念されていました。

新ルールがもたらす問題点

1. 小柄な選手へのフィット不全

身長が150cm前後の選手や、アジア系・女性選手を中心に、ハンドル幅400mmでは肩幅や肩関節の可動域を超えるケースが出ています。

これにより、肩への過度な負荷、コントロール性の悪化、そして慢性的な疲労や痛みといった問題点が懸念されています。

  • 自然な腕のラインを外れ、肩に過度な負荷
  • コントロール性がむしろ悪化する可能性
  • 長時間乗車による慢性的な疲労や痛み

2. エアロダイナミクス設計との乖離

近年の機材は「選手の身体を含めたエアロ設計」が進んでおり、狭いハンドルと細身のポジションを前提に最適化された製品もあります。今回の変更によりそれらの設計思想が根本から崩れ、再開発が求められる事態となっています。

選手・チームのリアルな声

多くの選手が懸念を表明しています。特に女性プロ選手の中には、

「このルールは“安全性向上”どころか、操作性の低下を招く危険な改悪だ」「男女の骨格差をまったく考慮していない」「むしろハンドル幅の“上限”を定めるべきでは?」

といった声が多く挙がっており、一律基準の危うさが浮き彫りになっています。

今後の展望と対策

UCIは「例外規定(Exemption)」について一部協議を進めていると報じられており、次のような対策が検討対象になり得ます

  • 体格別ハンドル幅の柔軟化(例:身長160cm未満は370mm OKなど)
  • 外幅と内幅の定義分離(フレアバーに適応可能な規則設計)
  • ジュニアカテゴリ・女子カテゴリの独立基準化

メーカー各社も「新規制適応モデル」の開発に着手し始めており、2026年モデルでは“ルール適合×エアロ×快適性”を両立した新しいハンドル設計が主流になると予想されます。

まとめ:安全と性能、その狭間で

このハンドル幅規定は単なる「寸法の話」にとどまらず、選手の身体的多様性、設計哲学、レーススタイルすべてに影響を与える深い変更です。

UCIの意図する「安全性の確保」と選手個々の「身体的適合性」とのバランスをどのように取るかが今後の焦点になります。

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自転車で人生をHAPPYにをモットーにロードバイクやその他スポーツバイクについての情報をまとめています。
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